ハマの海づくり 12

雨にも負けず

 

 海辺の活動では雨や風などの悪天候は大敵だ。海に入っている時はまだしも、陸上での観察や、ダイビング後の陸上での作業もある。そのような時はやはり晴れていた方が作業もはかどるし、当然やる気も違ってくる。

 天候が悪いなら活動を別の日に延期するという選択も当然あるのだが、そうもいかない事情がある。自然が相手の活動では作業の内容によっていつ行うかが重要となるからだ。
 例えばアマモの育成活動ではアマモの生活サイクルに合わせて活動が決まってくる。種子集めにしても種子の成熟度合を確認しながらスケジュールを立てなければならないし、苗床への種蒔きも種子の発芽に合わせて行う必要がある。多くの活動がそのように対象となる生き物の状態や潮の干満などによって左右されるといった具合だ。

 更に当会は会社員・公務員・学生など立場の違う様々な会員で構成されているため、活動は各会員が都合をつけやすい様に週末や祝日に集中してしまう。
 このような事情から、作業内容や参加者の都合などを考慮して余程のことが無い限り、スケジュールを変更すること無く、多少天候が悪くても安全管理に気を配って活動を行うこととなる。

 今年はご存知のように天候不順だったので、その所為か多くのイベントが雨にたたられて大変なめに遭った。走水でのアマモ種子採集の際は台風が接近し強い風雨の中での作業を強いられ、海の日のイベントで日本丸パークに行けば突然の豪雨で途中で中止となった。更に夏休みに夢ワカメワークショップの一環で釜石に遠征したら台風がついてきてしまって一部スケジュールの変更を余儀なくされた。幸い今年の山下公園海底清掃は穏やかな秋晴れのもと行うことが出来て、スタッフ一同胸をなでおろした。

 雨ニモマケズ、風ニモマケズ これからも私たちの活動は自然とうまく付き合いながら続いて行く。

海をつくる会  諏訪部 英俊